『誰もが表現者になれる時代はとっくに終わってるんだよ』
とおっしゃる方がいらっしゃいますが、
以下の3つは全然違います。
(1)起業家になりたいから、起業する。
(2)こういう面白サービスを思いついて、実装して、みんなに使ってもらいたいから、起業する。
(3)金儲けしたいから、起業する。
同様に、以下の3つも全然違います。
(A)表現者になりたい。
(B)こういうことを思い付いちゃったから、だれかに聞いてもらいたい。
(C)思い付いたことをネットで発信して、それで生計を立てたい。
ネットで何かを書いている人の原動力は、ほとんどが(B)です。
この記事は(B)です。
また、ネットのアマチュアクリエイターの多くは、
(D)こういうものを創りたくなったから創ったので、それを誰かに見て貰いたい。
です。
僕が今書いている小説は、(D)です。
クリエイトする人のことを「表現者」と呼ぶのは、昔っから違和感があります。
小説で一番難しいのは、「表現すること」ではなく、「表現すべきものを創り出すこと」だと感じています。
「表現」になる前の、面白いイメージや、雰囲気や、対立構図や、葛藤や、感情や、匂いや、光景や、アクションや、キャラや、クセや、人間関係や、アイテムや、メカや、設定や、どんでん返しを思いつき、創り上げることが一番難しいところです。
それらを「表現すること」も難しいのですが、それは「表現すべきものを創り出すこと」ほど難しくはないです。
アマチュアクリエイターの中には、プロになりたいという人もいます。
(E)クリエイターとして生計が立てられるようになりたい。
もちろん、
(F)みんなに面白いと思ってもらえるものをクリエイトして、それを発表して、みんなに褒めてもらいたい。
という人もいるでしょう。
(G)「自分が創りたいもので、かつ、みんなに面白いと思ってもらえるもの」を発表して、みんなに褒めてもらいたい。
という現実的な人も、けっこう多いです。
でも、圧倒的多数は、(B)か、そのバリエーションです。
『誰もが表現者になれる時代はとっくに終わってるんだよ』と言いますが、
そもそも、表現者になりたいと思う人は、今も昔も、たいしていないのではないでしょうか?
「表現者に、俺はなる!」なんて気張らずに、
思い付いちゃったことを、気軽にネットに書き込めばいいんじゃないでしょうか。
それは、昔より今の方が、ずっとやりやすくなったのではないでしょうか。
そんなことを考えながら、書きたい小説を書いている、今日この頃です。
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