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分裂勘違い君劇場の別館

http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/ の別館です。

ポケモンgoの楽しさと奥深さを、やってない人にも理解できるように解説する

ポケモンgoは、ポケモンを集めて、育てて、バトルするゲームだ。
バトルそのものも楽しいが、バトルで勝てるようなポケモンを捕獲・育成するのが最高に面白い。
ポケモンの捕獲と育成は、運もあるが、単なる運ゲーじゃない。手間ひまかけないといいポケモンはゲットできないが、時間さえかければ強いポケモンをゲットできるわけでもない。深く考えずに適当にやっていると、膨大な時間を費やして集めたポケモンが、どうしょうもないゴミポケモンに育ってしまう。

 

ルールと状況がどんどん変化していくので、みな、今後のルールと状況の変化を予測しながらプレーしている。

たとえば、ある女の子は、スマホを2台持ってポケモンをしている。これは、今後、ポケモンのトレードが開始されることを読んでいるからだ。
いいポケモンは、出現頻度が少ない。そして、ある場所に出現すると、数分~十数分間だけ存在し、消えてしまう。そのポケモンは、誰か一人が捕獲しても、他の人のスマホから消えてしまうということはない。全員のスマホに出現する。だから、いいポケモンが出現したら、二刀流で捕獲すれば、2倍捕獲できることになる。
二刀流にする理由はそれだけではない。ある場所に出現したポケモンは、そこに存在する全てのスマホに出現するが、それらは完全に同一の才能を持ったポケモンではない。同じ種族のポケモンではあるが、CP(戦闘力)、個体値、技が違う。スマホを2台持つことで、どちらか片方が、これらのパラメータの高いポケモンになる確率がぐっと高くなる。
CPは後から増強することが可能だが、個体値は生まれ持っての才能のようなもので、後から何をやっても、改良することができない。
さらに、ポケモンは進化させることで飛躍的に強くなるが、進化した後、どんな技を持つ個体になるかは、予測ができない。最高の種族に属し、最高のCP(戦闘力)と最高の個体値を持った個体を進化させてみたら、どうしょうもないゴミ技しか持たないポケモンになってしまうこともある。ゴミになってしまったら、もう二度と治らない。もう一度捕獲からやり直しだ。
しかも、進化には、ポケモンのアメが大量に必要だ。ポケモンのアメは進化系統ごとに異なり、互換性がない。ミニリュウのアメは、ミニリュウの進化系統にしか使えない。1匹のミニリュウを捕獲すると3個のアメがゲットできるが、ミニリュウをハクリュウに進化させるには25個のアメが必要で、ハクリュウをカイリュウに進化させるには100個のアメが必要だ。ミニリュウは1つのアメと交換できるので、ミニリュウ1匹捕まえると、4個のアメをゲットできることになる。だから、ミニリュウを集めて進化させてカイリュウにするには、32匹のミニリュウを捕獲しなければならない。しかも、そこから更に、たくさんのアメを使って、カイリュウを強化していかなければならない。いいポケモンを育てるには、めったに出会わないポケモンをそれだけ大量に捕獲しなければならないのだ。
だから、いい種族のポケモンに出会うという幸運に恵まれたら、ここぞとばかり、可能な限り多くのスマホで、そのポケモンを捕獲しまくるというのは、バカバカしいようで、意外と合理的な戦術の可能性がある。


運営側によって、技の強さなどのパラメータが変動するリスクをマネージメントすることも、ポケモン育成の駆け引きを高度なものにしている。
たとえば、以下のような会話がある:
「この技が強力だから、この技を持ったポケモンを育てよう」→「今までの運営側の対応の経緯から見て、この技は強すぎるので、今後は運営によって下方修正されるリスクがけっこうある。それよりも、この場合は個体値優先で育てた方がいいんじゃないの?」
「このポケモン、個体値は最高なんだけど、弱い種族に属しているから、持ってても意味ないよね」→「いやいや、将来的に、運用側によって種族の強さが変更される可能性もあるから、個体値が高ければ、念のためキープしておいた方がいいよ」
「個体値って、どこを見れば分かるの?」→「ゲーム内を見てもわからない。チェックするツールをネットで探してチェックする」→「このツール、面倒くさい」→「個体値を簡単にチェックするツールを見つけたよ」→「それ、便利だけど、公式に認められているツールじゃないし、使っていることが運営にバレる仕様になってるし、それを使っていると、アカウントをバンされるリスクがあるよ」→「それでバンされた人はいないよ」→「今のところはね。今後はどうかわからない」→「利便性と、そのリスクの大きさを天秤にかけて、どちらをとるかだな」


ポケモンの巣の流動性もゲームを高度化させている要因の一つだ。
初期は、いいポケモンが高密度かつ高頻度で出現するポケモンの巣があったが、現在のポケモンの巣は大幅に劣化し、いいポケモンの出現頻度も密度も、大幅に低下した。
今後は、さらにポケモンの巣が劣化していく可能性がある。
ということは、初期にいいポケモンの巣で、いいポケモンをゲットしまくった人たちは圧倒的に有利で、ポケモンの巣が劣化してから行動し始めたプレーヤーとの格差は、なかなか縮まらないことになる。
なので、ポケモンの巣の劣化リスクをいち早く予測して、迅速に行動できた先見の明のあるプレーヤーが、現在、圧倒的にすぐれたポケモンを保有している状態になっている。
さらに、ポケモンの巣の劣化を予測して、そのままポケモンの巣に突撃したプレーヤーが、虫刺されと日焼けと電池切れで、ほうほうの体で退却してきたという話がある一方で、これらを予測して、はじめから日焼け止めと虫除けスプレーと大容量電池を装備して準備万端でポケモンの巣へ侵攻したプレーヤーは、大量に捕獲された超豪華ポケモンのスクショをLINEグループに流していた。
物理的な装備品の先読みもまた要求されるゲームなのだ。


さらに、最高のポケモンを1つ手に入れれば、それでゴールという単純なゲームではない。
ポケモンはジャンケンポンの関係にあり、あるポケモンに対して強くても、別のポケモンに対しては弱いという関係が、複雑に絡み合っている。
しかも、そのジャンケン関係は、ポケモンの種族だけでは決まらない。技の種類にもよる。1つのポケモンは、2つの技を持つから、非常に複雑なジャンケンネットワークが形成されている。
さらに、バトルは一人のプレーヤーが最大6匹のポケモンを出して行う。1匹だけ強くても勝てない。
バトルはジムと呼ばれる場所で行う。ジムにはポケモンが1~10匹配置されている。このジムに対して、ユーザは一人で6匹のポケモンをぶつける。ただし、ジム攻略には、ある程度の後出しジャンケンが可能だ。ジムに配置されているポケモンに対して有利になる順番にポケモンを並べてぶつけることができる。
だから、強いポケモンを6匹手に入れられればそれで終わりということにはならない。その6匹が、たまたまジムに配置されているポケモンに対して不利なポケモンばかりだったら、勝てないからだ。ジムにどんなポケモンが配置されていようとも対応できるように、さまざまなバリエーションの強いポケモンを揃えていく必要がある。
しかも、種族と技の世間相場が、その普及状況によって変動する。種族Aのポケモンが大量に出回れば、そのポケモンに対して有利な種族Bのポケモンの価値が上がる。また、種族Aに対して有効な技Xの価値も高まる。これによって種族Bと技Xが増えてきたら、今度は、種族Bと技Xに対して有利な種族と技を持つポケモンの価値が高まるのだ。


話はまだまだ沢山あるが、書くのに飽きてきたのでこの辺で終わりにしておく。
もちろん、ポケモンgoにはいろんな楽しみ方があるから、これだけがポケモンgoの遊び方ではないし、他人様の遊び方にとやかく言うつもりはない。

私自身も、ゲームとしてのポケモンgoというより、ポケモンgoという社会現象の渦の中で、時代の空気に浸って楽しむことを主な目的としてプレーしている。
ポケモンgoというのは単なるゲームではなく、時々刻々と変転していく一期一会の社会現象であって、後から参加しても、「始まったばかりのころのポケモンgo」はもう永遠にプレーすることはできない。
たとえば、ミニリュウが出現すると、周囲の人間が一斉に走りだすのは、なんだかバカバカしくて、すごい笑える。真夏の炎天下の中、これだけ大勢の見知らぬ人間たちが集まって、目に見えぬモンスターを捕獲するためにダッシュするという光景って、ええじゃないか運動や安保闘争のような、人類史的な出来事なんじゃないだろうか。ルールや状況が変化すると、こういう光景はもうなくなってしまう可能性がある。いつか歴史の生き証人として、未来の子どもたちに語って聞かせたいような珍事件だ。

この、二度と再び味わうことができないかもしれない社会現象の面白さを、少しでも多くの人に感じてもらえたら、と思って書いてみました。